プレパレーション
作業している時間と、出来上がる作品の内容、およびその内的批評は、制作時間と密接に関係している。
朝。
真夜中にやっていた素材を再度引っ張り出した。
午前中からコツコツと録音作業をする。昨晩は音を引いていく作業をしていき、今朝は音を足していく作業をした。
昼。
お昼くらいにその音源を一回ラフで仕上げてスタッフに送信。ご飯食べた後にスタジオのレイアウトを変えみた。機材は多い方ではないけど、より直感的に作業出来るように切り替えた。
夕。
あっという間に夕方になり、河合宏樹監督と今年何度目かのミーティングを河合くん家で。
内容。
ほぼ映像と音のバランスは出来上がってるが、色々な意見が飛び交っているから一度直接会ってミーティングをした。同席してくれたLILY SHUさんとも意見交換をする。LILYさんの姿勢は凛々しかった。理論的で現実的でもある故に、パワーが詰まった完成度高い作品を提示している。この姿勢には自分も創作するパワーをもらった。
そして、河合くんから感じる非効率でも地道にプロセスを記録していくことへの執着には驚くものがある。河合くんが手掛けた作品『うたのはじまり』でコメントを書かせてもらった。
「本能的な眼差し。人間が持つノイズ。河合宏樹は違和感から世界を繋ぎ、均質化を壊していく。」
このコメントでの河合くんの印象も、作業を一緒にしていくにつれて更新されていき、新しいフェーズに入っていく感じがする。想像力が増していって、楽しくなってきた。
様々な声を聞いて、目に見えない音楽を作り上げていく、という基本姿勢を崩せないのは、単純に楽しいから。
風呂あがりに Jorge Lopez Ruiz 5 という72年録音を聴いてた。再発レコードも持ってたはずだけど、いまは倉庫にあって発見できそうもない。