蓮沼執太 | Shuta Hasunuma

2/28 2021

Date

2021.02.28

今月は本当に毎日NHK夜ドラの音楽制作だった。いつもしてきたこと、忘れていたこと、新しくチャレンジしたこと、いろいろな手法を使えたクリエーション。コロナ禍でも、そうじゃなくても、ひたすら引きこもって音楽を制作するのは割と日常でもある。そんな2月最後の日も朝から夜ドラの音楽作業。今日は明日レコーディングを行う、和楽器・笙の譜面制作。他の楽曲のスタジオ・レコーディング準備を。昼は外出して散歩しながら蕎麦を食べる。コーヒーを買ってスタジオで午後もずっと作業を継続。まったく休みがない。夜は建築家の隈太一さんからお誘いを受けて「都市」を巡ったトークイベントに参加した。近代以降のシステムで活動をしている芸術表現において、「都市」と関係が無いものはないと思っている。そのインフレーションが全て物語っている。その上で、いかにシステムを疑って、他者に対して驚きを含めたアプローチをとっていくか。それは、常時持っているテーマでもある。コロナの状況でだいぶぼくの意識や活動の姿勢は変化していることも、大いに認識したことも収穫だった。隈さんとも継続的に意見交換をしていきたい。ぼくは建築家と話すのがとても好きだ。建築家は「表現」というフレームから一歩離れた視点を持っている。まるで映画監督のようなポジショニングなのだけど、その立ち位置や常に他者のことしか考えない仕事ぶりには驚かされる。

2/27 2021

Date

2021.02.27

昨日は朝から晩までのレコーディングで、心身共にしっかり疲れた。良い疲れだった。翌日は母と妹とゆっくりご飯などしてきた。夕方に新しいプロジェクトのミーティングをひとつしてきた。話せば話すほど、自分に無いような切り口で音楽を作れるかも?と思うようなミーティングだった。これからが楽しみだ。

2/24 2021

Date

2021.02.24

今日も朝から晴天だけど、昨日のような春の暖かさは感じられない。気温は低いのだけど、日差しは春のよう。こういう雰囲気に惑わされて、つい薄着で外出してしまって体調を崩したりする。

昨日から『鐘の音』をSNSで募集をはじめた。あるプロジェクトのために新しい鐘の旋律を作曲する。その鐘の旋律は全国にある鐘の響きや旋律を集めて、再構築していくプロセスで鐘の音を作曲したいというコンセプトにした。いろいろな方々が関わっているために、このコンセプトがストレートに採用されるのかが未知数ではあるのだけど、コンセプトが伝わり、多くの方々から鐘の音(動画)が届くことを願う。そんな中、今朝チェックしたら、たくさんの鐘の音と映像が届いていた。どれも個人的に思い入れがありそうなものや、近所の鐘だったり、旅先の鐘の音だったり。多種多様の鐘の響きを聴くことができた。まだまだ募集をしているので、これを読んだ方もぜひ送って欲しい。送られてきたメッセージにお返事などを。イトケンさんと尾嶋さんに電話したりして、ドラムのフレーズの確認など。

昼は1件オンライン・ミーティングを。音源が新しい形になって、お届けできるかも?という相談を受けて、ミーティングをした。今年の夏前には良い形で発表できると良いなぁ。そのあとは、インタビューを。過去を振り返りながら、4/23のオーチャード・ホール公演への意気込みなどを話した。リラックスした雰囲気で出来て良かった。時間が押してしまって、車でそのオーチャードへ。下見を兼ねた撮影。後藤武浩くんの写真、金田遼平くんのデザインによる「オリジナルなビジュアル」が作れたら良いと思っている。

帰宅したあとは、ひたすらスコアを制作。三浦千明に電話したり、石塚周太くんに電話して、仮でギターを弾いてもらったりして、録音曲のアレンジを確認したり。と、忙しない作業が続いているけど、全体的な楽曲のクオリティにはとても満足しているので、このまま突き進みたい。

2/23 2021

Date

2021.02.23

坂本龍一さんのラジオ番組『RADIO SAKAMOTO』の収録日でもあり、早朝から色々な方の音楽を再度ひとつずつじっくりと聴く。どれも個性豊かで、色々な表情、コンセプトを感じる。

今週は蓮沼フィルのレコーディングがあるので、そのスコア作りを今日から始めている。とはいえ、ワークインなので、手直しも多くて、中々進まない。今回も新しいチャレンジ要素を入れていて、面白い(自分が大変)な録音作業になりそうで楽しみである。手間がかかる作業で、何度も心が折れるけど、なんとかして自分をキープさせて作業を進める。

午前中にラジオの収録をオンラインで。気心しれたメンバーとの収録も楽しく出来た。楽曲に意見を言うのも嫌いじゃないけど、個性的な意見を人から聞くのもとても面白い。

昼に一回散歩に出かけて、日光浴。花粉症の症状が酷くて、手に負えないほどのクシャミと鼻水。僕は幼稚園の頃から花粉症で、幼稚園の送迎バスを待っている時に大きなクシャミをした記憶がハッキリあって、その1日中クシャミをずっとしていて、そこからこれが花粉症なんだ、というアレルギーの記憶がある。午後もずっとスコア作り。トータル6曲ほどのまとめをしていたら、あっという間に夜に。夜は外食した。

2/22 2021

Date

2021.02.22

二並びの日。朝はNHKドラマのミーティングを音響エンジニアのチームと。蓮沼フィルでもNHK録音があるので葛西敏彦も参加してもらって、意見を出し合いながら。お昼になり気分転換のために散歩を。近所のカフェでアイス・アメリカーノを頼んだら、カフェラテだった。こういう時、作り直してもらうのも申し訳なくて、そのまま受け取ることが多い。帰宅してドラマ音楽の作曲作業を行う。今週は蓮沼フィルのモードになっている。今週録音を控えていて、録音楽曲の準備をコツコツと行う。まあ時間がかかる作業。先日ユザーンから届いた音も楽曲に入れてみて、ミックス作業もした。夜に散歩。

2/21 2021

Date

2021.02.21

朝はのんびりとすごす。昼は4/23オーチャード公演のミーティングをオンラインで。音響の葛西さん、HPLを使って360度のように現場の音像を作り上げていく久保さん、映像を監督する島本さんと。主にオーチャード公演を経て、配信公演に焦点をむけた話し合い。まだ謎は多いけど、僕も人と話していくとそれが言霊となって、具体化していく気がする。その後、また作曲作業に戻ってコツコツと。夜はさらにミーティングをする。写真家の後藤武浩くん、WEB制作の石黒宇宙、デザイナーの金田遼平くんと。コロナ禍ということもあって、通状の告知が出来ないでいる。それはそれでしょうがないし、ジタバタしても何も無い。でも、それでも知恵を出して、公演のことを知ってもらったり、楽しみを膨らませるようなことを作りたいなぁ、と素直に思った。良いミーティングだった。

2/20 2021

Date

2021.02.20

朝はたくさん散歩をした。コーヒー屋に行って、豆も買って、身体に新鮮な空気を入れては吐いて、の繰り返し。ユザーンから音が届いた。早速、デモと重ねてみた。奇抜な制作スタイルなんだけど、これもユザーンとしか出来ない制作スタイルかもしれない。午後は、happaで斉藤亮輔、石塚周太が来てサウンド・リハーサル。NHKよるドラのギターフレーズの確認。大半はソロで制作しているが、チームやフィルでの編成の楽曲もある。一番良かった感じはやっぱり友達と会えることだ。それしかない。それに音楽がついてきた、って感じの一日だった。

2/19 2021

Date

2021.02.19

「窓」に関する原稿を書いていた。3000字程度。自分の活動や制作において、自然と「窓」という言葉や物質は大切なものだったなぁ、と寄稿依頼をいただいて気付く。夜はNHKのドラムの音楽ミーティングを。全曲の流れを通して、意見交換。劇伴音楽、勉強になることが非常に多い。

2/18 2021

Date

2021.02.18

僕の部屋には大きな窓があって、いつもその窓からの景色を眺めながら制作している。午前中は、いつの間にか当たり前に存在している物をテーマに寄稿文を書いていてそれをまとめる作業をしていた。

最近の朝は、武満徹の管弦楽を毎日聴いている。武満さんのオーケストレーションを聴き込むのは珍しい。この1週間くらいはルーティンになっている。季節の変化も影響あるのかな。今日も同じように、音を作っている以外は武満オケの音楽をかけていた。

お昼過ぎは、渋谷にいき、文化村オーチャードホールへ。4/23の蓮沼フィル公演『○→○』の現場下見へ。制作、映像、舞台美術、広報が集まって、会場を隈なく見てきた。本当に変わったことをやりたくて、オーチャードホールのスタッフから「自由ですね〜」と言われてしまった。オーチャードの現場スタッフからの褒め言葉として受け取って、下見後にもミーティングを。こうやってコンサートという作品が出来上がっていく。こういう作業はパフォーマンスのライブ性から派生する作品ではなく、一過性ではあるものの、総合的な視点での作品作りだと思ってやっている。と言っても、自主イベントも10年以上主催をやってきていて、経験値も増していくが、常に数字は気にしないで、仲間と一緒に考えて公演という形にしていくこと。僕のようにインディペンデントに活動している身にとっては、こういう環境から生まれるアイデアはとてつもなく強くて、今後の糧にもなる。今日もそういうシーンがいくつもあった。これは『○→○』は見たことない、感じたことない音楽体験になるだろうな、と確信した。今日のような何でもない下見が、実は自分たちにとって新しい手法を身につけている準備体操だったりするもんだ。この4月のコンサートは本当に楽しみでならない。この2年くらいのアイデアが爆発するだろう。このチームでチャレンジ出来ることはとても嬉しいし、刺激的だ。新しいことがはじまる。

2/17 2021

Date

2021.02.17

今月からずっと制作しているドラマの撮影現場にお邪魔した。撮影場所は東京の郊外。電車で1時間ほどのところ。実は10年ぶりに下りたった駅からロケバスに乗って、撮影現場へ。朴訥とした川縁の場所だったけど、エキストラキャストも多い中、じっくりと収録していた。いつも感じるけど、音楽は違う現場で作られるわけだけど、こうして撮影の現場に訪れることで、自分で作っていた世界観だけではなく、作品の中でも違う雰囲気が存在することを確認できる。その空気は音楽にも影響を与えていると思う。

夕方にスタジオに戻ってきて、違うプロジェクトの音楽の手直しを。ちょうど1ヶ月前から手をつけてなかったけど、少し時間を置くことで前の音楽を壊して、新たに組み立てていく気持ちが芽生えてきてしまった。まだまだ荒いけど、アプローチとしては良い感触。