蓮沼執太 | Shuta Hasunuma

2/6 2021

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2021.02.06

朝8時に起きて、飲み食いせず、すぐに録音作業へ。覚えていないけど夢の心地があまり良くなかった気がする。とりあえず昨晩からやろうと決めていたことから録音をした。作業していた部分は、結構大切なシーンで気合いが入っていたが、割とサクッと作ってしまった。でも、気が入っていた分だけ、作曲する時をうかがってたんだろう。結果、良きタイミングでの作業になり、全体のトーンも良いと思う。昼にフィルのギター・ベースの石塚くんが事務所に来てくれて、そのままリハーサル。ドラマの音楽で、フィルの部分&チームの部分のアレンジを相談しながら、音を出していく作業。僕のアコギの弦も変えてもらった。ありがとう。常々、新しいチャレンジを石塚くんとは出来ていて、素直に嬉しいことだ、と感じる。

2/5 2021

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2021.02.05

今日も冬晴れで気持ちよかった。窓を開けて、風を入れながら作業をするのが好きだ。

午前中からドラマ音楽の作曲をはじめていき、夕方にミーティングで一旦休止して、夜にまた再開。日記を始めたとはいえ、今年前半は作曲作業をずっとしているんだろうな。だけど日々、こういう地味な制作の連続でもある。

作るのも大切だけど、一番大切なことはそれらを聴くこと。聴き入ること。数多く作曲をしていながら、かつ散歩しながらサウンドチェックなどをしている。今日は蓮沼フィルの演奏楽曲を3曲スケッチをした。人数が多ければ、コンポジションとアレンジも複雑になって、制作に時間がかかる。譜面作りはこのスピード感になってしまう。

記者会見のニュースを見ていて感じた。想像もしえない言葉がやってきた時にも、その言葉をしっかり聴いて、丁寧な言葉で返したい。行動と言動に年齢や性別はまったく関係が無い。コロナ禍だというのに、社会はなぜ世間を弄ぶように動いていってしまうんだろうか。本質がいつも抽象化されて、時が重なって目の前が見えなくなって、忘れていく。

2/4 2021

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2021.02.04

朝はオーチャード・ホール公演のミーティングをした。念密に話合いを重ねている。今日は音響の葛西さん、エンジニアの久保さんと3人で。主に『○→○』の2個目の「○」についての音に関して。2個目というのは具体的に言うと、配信公演に関して。今日も色々な意見が飛び出した。各々が丁寧に考えてくれた提案は聞いていて、とても嬉しい。ミーティングしてるだけで、公演が楽しみになってくる。真剣に作品づくりをしている手応えを感じる。

昼に髪を切りにいって心身共にリフレッシュ。頭皮マッサージをしてもらって、むくみを取ってもらった。両耳の周りはとくに頭皮が硬くなっている。いつもほぐしてもらっている。

その後に取材を受ける。撮影をした後に取材。コロナ禍にも関わらず、対面取材を行っていただき、昨年やいまのモチベーション、オーチャード公演にむけての話などをしてきた。

夕方はオファー受けていたコメント書いたり。LILY SHUさん映像につけた音楽をマスタリングして河合監督に送信。上映が楽しみだ。

2/3 2021

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2021.02.03

今日も朝から作曲。台本を読みながら理解を深めていた甲斐もあって、音の世界観がイメージされていて、作業は軌道に乗っている。とても良い状態で集中出来ている。30曲弱作っていて、お題に対して答えていくリズムが出来上がっていて楽しい。すべての機材を使って、さらに楽器ではないものも総動員して音を作っている。マイクに向かって、物を触りながら音を作っていく作業は面白い。モジュラーシンセはあまり使わないけど、Buchla Music Easel はパッチを組んでの音作りは飽きない。あまりシークエンスを走らせて使うことはなくて、あくまで音色が良いから、まだ可能性を引き出せる気がする。

昼は山芋をすってトロロも作って蕎麦を食べた。

夕方まで作業を続けて、一旦オンラインのミーティングをひとつ。今年の3月11日のプロジェクトに関しての話。不安が続く毎日ではあるけど、その要素の一部はこの震災と原発事故から何も変わらずに、目を向けずに進んできたことも関係していると感じている。意見交換をして、誠実に取り組めるプロジェクトにしたい。

ミーティング後、もう一踏ん張りして作業を進めてみた。夜は新しく始まる連載のテキストをまとめていたりした。本も読めず、音楽も聴けず、映画も観れなかったな。布団に入りながらも、制作ノートにドラマ音楽の課題などを書きながら寝てしまった。

2/2 2021

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2021.02.02

晴れた朝。でも夜中に雨が降ったみたいで、草が濡れていて湿気を感じる。湿度を保った冬晴れの朝はやっぱり気持ち良い。月末に色々とスッキリしたこともあって、新しい音楽制作が順調である。今日もラフスケッチ10曲分くらいは進む。

数年前に「アルベルト・ジャコメッティのように毎日、引きこもってコツコツと作業をしている」と尊敬する作曲家がご飯しながら話してくれたことがある。いつの時代も同じように、引きこもり作品と向き合って手を動かし、頭を働かせること、創作の繰り返しなんだと感じる。矢内原伊作の記憶にあるジャコメッティは、朝から晩までモデルをずっと面と向かって凝視して、紙に線を引いては消していき、粘土をつけては削り取る作業を淡々と繰り返していく。単調な作業ではあるけど、極めて真剣であり、その緊張感と切迫した雰囲気がヒシヒシと伝わってくる。

ランチにタコスを食べたり、夜は豆撒いて、恵方巻を南南東の方角に向かって食べたりして過ごした。

2/1 2021

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2021.02.01

如月のはじまり。

朝から作業スタート。昨晩からのプロジェクトの細かい修正をしていく。微妙なニュアンスを何回も確認していく繰り返し。本当に些細な作業。人の声、環境音、自分が演奏した音、他者が出した音を全て同じ地表で存在しているミックスにしている。今回は映像の音楽だけど、音だけで世界を作るような見方も持つようなアプローチをとっている。ひと段落したので、音は関係者に送った。

その後すぐに、もう1年くらい続けさせてもらっている、地下鉄のフリーペーパー『TOKYO METRO NEWS』の音楽連載を書き上げた。今回も面白い3曲をフィーチャーしている。さらに、オーチャードホール公演『○→○』のセットリストをスタッフに共有したり、手付かずだった請求書を書いたり、メールを返信したりして、午前中のうちに色々な事務作業を完了させた。朝からハードだったけど、気持ちはスッキリ。

昼からいよいよドラマの音楽制作に入っている。今日から具体的に録音をはじめていきラフを10曲ほど作った。年末からずっと頭の中で構想を考えていただけあって、具現化するスピードが早かった。まだまだ倍以上の楽曲を書き下ろすので、今週も走りたいところ。

夕方にGINZA SONY PARKでやっているプロジェクト『Silence Park』ミーティングもオンラインで行う。今年はじめて顔を合わして、今後の予定を確認したり、新しい作品への触れ方の提案なども行ってみたり。

夜8時くらいに作業をお開きにして、少し買い出しして今日作った音源を聴きながら、明日の作業をイメージしたり。その後、リラックスして過ごした。