ピエール・ブーレーズの書籍や言葉というのは、常に自分の近くにある。ふとしたときに発見すると、以前とは違った理解がある。それは自分の変化でもあるんだと思う。再発見というやつ。
フランスの神経生物学者ジャン=ピエール=シャンジュー、作曲家のフィリップ・マヌイとの鼎談でのこと。音楽様式が革新され、コンピュータも導入されているが、ブーレーズは音楽の進歩という考えを持ち得ていない、という話。ブーレーズは進歩ではなく、変遷があると言ってる。
「ブーレーズ:私たちが音響の領域で受け取る多少とも無用な大量の情報を前に、個人に可能な有効な唯一の対応は自分独自の要求をすること、つまりありきたりのものの甘受を拒絶することです。個人的に選別を行ない、重要な、主要ですらあるものと、文字通り過渡的なもの、浮薄なもの、さらには迷惑なものとを識別する必要があります。」
それを受けて、マヌイが「音楽の実践が他者に耳を傾ける能力を助長すること」と述べている。
今日は東京でも雪が降っている。